正直なところ、自分を振り返ってみれば、
若い頃は、自分自身がとても感謝の足りない人間だったような気がします。
自分の人生は自分の力で全部切り開いてきたのだと、
大きな勘違いをしていました。
小さな世界で高慢に生きていました。
国家公務員を22年間しました。
22年経ったとき、病気になり、退職しました。
退職してからも、病気は簡単には治らず、最初の3年間はまさに地獄でした。
息ができないほどの喘息発作が1日中続き、毎日、毎日苦しくて転げ回っていました。
しかし、
その喘息が神さまからの最大の贈り物だったと気がついたのは、何年もたってからのことでした。
病気が人生を40代で変えてくれたのです。
必要なときに必要なことに出会い、
自分を見つめなければならないようになっていたのです。
ひどい喘息から少し動けるほどに回復したとき、あるセミナーに参加しました。
そのセミナーで参加者全員が、みんなで手をつないで輪になり、
「お父さんありがとう、お母さんありがとう」と言うワークをしました。
僕はバカバカしくて、「こんなところに来て、何で幼稚園みたいなことをしなきゃいけないんだ」と思いました。
その夜、うつらうつら眠っていると、お父さん、お母さん、兄弟、友達、先生の顔が次から次に浮かんで来て、
その人たちに「ありがとう、ありがとう、ありがとう」と半分無意識で叫んでいました。
すると、体がスーッと宇宙に広がっていくような感じがして、自分が宇宙と一つになったのです。
それまで、あまり「ありがとう」と口にしない自分だったのです。
そして、翌日から病気はどんどん、快方に向ったのでした。
あの経験は不思議で忘れられません。
「ありがとう」と言えたとき、病気はその役割を終えて消えていったのでした。
「ありがとう」の効果をまざまざと体験しました。
山川紘矢氏『人生を変える極上の教え』イースト・プレスより抜粋
「苦労、困難は実はギフト」と言われたことを思い出します。
人生には無駄なことは何ひとつ起こらない。
必ず意味がある。