病気に苦しんだり、
対人関係に悩んだり、
家族の問題に頭を抱えたり、
恋愛に破れたり。
そんなとき、私はこう言いたいのです。
「どうってことありゃしない。
生きていればどうにかなるわい。ドンマイドンマイ!」
目の前に壁ができたときに、泣いたりわめいたり愚痴をいったりしても、
けっして答えは見つかりません。
感情的になることは、かえって解決の邪魔をするのです。
では、何が解決の手助けをするのかといえば、
それは「理知(りち)」だけなのです。
はじめに壁ができた原因を冷静に分析して、
つぎに壁は高いのか、それとも低いのか、厚いのか薄いのかを考察する。
そしてどうすれば乗り越えられるのか、
効果的な対策を一つだけではなくいくつも考えて行動におこす。
最初の案がダメなら次の案にとりかかる。
これが、冷静に考えるということなのです。
問題を解決するためには、一歩も二歩もひいて客観的にとらえること。
この客観性は、理性以外のなにものでもありません。
そして、もう一つ、解決の手助けになることがあります。
それは、「感謝する」ということです。
たとえば、誰でもまわりに「イヤだな、こいつ」と思う人がいるでしょう?
でも、その人のおかげと思えることが、
ささいなことでもあるんじゃないかしらと探してみれば、
自分になんらかの益をもたらしてくれていることが必ずあるはずなのです。
問題解決の妨げになる悪想念をいかに追い払うか、
たとえ完全に追い払えなくても軽くするためには、
少しずつでも「感謝する」ことを訓練するのです。
この人のおかげで何かプラスに働いていることがあるかもしれない、
感謝することがあるかもしれないと考えて、
それが見つけられた時には、気持ちはすーっとラクになって、
「大嫌い!」と思っていたのが、
そうでもなくなってきますから不思議なものです。
美輪明宏氏の『人生はドンマイドンマイ』(家の光協会)より
物事には必ず2面性があります。
見えてないもう片方を、見てみようとすること大切ですね。