子供は「わからない」「難しい」という言葉をよく使います。
今の世の中、「分からない」「難しい」と言えば、誰もが丁寧に教えてくれます。
便利な言葉です。
しかし、教える側が与えすぎると、子供は自分で考える能力をなくします。
そのうち子供たちは、本当は違う言葉で表現すべきときにも「分からない」という言葉を使うようになります。
本来ならば「面倒くさい」と言うべきときに「分からない」を使うようになっているのです。
他にも、「やる気がしなかった」の代わりに「分からない」。
「途中であきらめました」の代わりに、「分かりませんでした」を使うのです。
そういった言動の習慣が身についたまま、大人になります。
すると、不況で世の中が変わりそうだ、自分の勤めている会社がなくなりそうだ、となったときに、
「新しい社会、職場、仕事、生活に慣れるのが面倒くさい」「挑戦するのが怖い」という言葉の代わりに
「どうなるか分からない」と言ってしまうのです。
世の中が変わりそうなときほど、自分の感情をしっかり見つめ直す必要があります。
変わるのが面倒なだけで、新しい時代の到来を恐れて動けなくなるなんてもったいないことです。
慣れ親しんだ習慣を捨てて、新しい習慣を身につける覚悟がある人にとっては、
ひとつの時代の終焉は恐れることではなくむしろたくさんのチャンスにあふれた、歓迎すべきことなのですから。
喜多川泰氏の『プロは逆境でこそ笑う』(総合法令出版)より抜粋
変化を嫌う人、変化を好む人がいます。
どちらが正しく、正解ではなく。
両方のバランスが大切なのだと思います。