「ありがとう」は、ネガティブ思考を消す魔法の言葉です。
「少しは仕事のしかたを変えたら?」と言われたら、
「ありがとう。私が良くなるきっかけをくれて」
...辛辣(しんらつ)な意見を言われて自分を全否定されたように感じるときでも、
「ありがとう」の気持ちで受け止めれば、
何かしらプラスになるものを見つけられます。
落ち込まずに、前に進んで行けます。
雪の降る寒い時期に、「くいしん坊!万才」のロケで北陸地方のある町を訪ねたときのことです。
一人暮らしをしているおばあちゃんのお宅で、塩漬けにしたサバを使った料理を出してくれました。
雪が積もると買い物もままならないので、昔から、寒冷地の冬の食事は保存食を使ったものが多いのです。
このおばあちゃんは、「もっと不便なところで暮らしている人もいるんだから、私なんか本当に恵まれてるんですよ」という話ばかりでした。
雪国の一人暮らしには不便なことも多いはずなのに、「ありがたい」「ありがとう」という言葉が常に出てくるのです。
もし自分が雪深い町に一人で暮らし、毎日のようにサバの塩漬けを食べていたら、まったく逆の捉え方をするだろう。
「ありがとう」なんて絶対に言えないだろう...。
僕は、自分の不遜さと弱さを改めて気付かされた思いでした。
「ありがとう」を伝えるのは、素晴らしいこと。
「ありがとう」を感じるのは、幸せなこと。
松岡修造氏の『伝わる!修造トーク』(飛鳥新社)より抜粋
当たり前ではないことが、当たり前になってしまうものですね。