私は敬虔なローマンカトリックの信者です。
それでも神道の素晴らしさはわかります。
神道は自然を神と崇めて大事にしつつも、他の宗教に対しても寛容であるので、広い視野で物事を捉えることができる宗教だと思います。
実はカトリックと靖国神社は深い因縁があるのです。
第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)内には、
靖国神社を軍国主義の象徴と見なし、焼き払った上に跡地をドッグレース場にしようとした動きがあったそうです。
これには賛否両論があり、マッカーサー司令官も答えを出せずにいたようです。
そこで、司令官は当時、ローマ教皇庁(ヴァチカン)の臨時駐日代表ブルーノ・ヴィッテル神父に意見を求めました。
するとヴィッテル神父は、
「いかなる国も、その国に殉じた兵士に対して、敬意を表す権利と義務があり、それは戦勝国、敗戦国問わず平等である。
もし、アメリカ陸軍が靖国神社を焼却したならば、米陸軍の歴史に永久に消すことのできない汚点を刻むことになるだろう」
と進言し、司令官は靖国神社焼却中止命令を出したそうです。
靖国神社のことは、国際的にも凄くナーバスなことになっていますが、私が思うに、靖国神社のことについて、特に中国や韓国はとても大きな誤解をしているのではないでしょうか。
靖国神社は145年前にできた神社です。
第二次世界大戦のずっと前です。
靖国神社のような、国を守るために亡くなった軍人を慰霊するメモリアルなお祈りの場所は、世界中どこにでもあります。
イタリアには、ローマにヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂がありますし、アメリカにはワシントンDC近郊にあります。
ドイツにも、フランスにもあります。
それが、日本ではたまたま靖国神社なのです。
だから、一部の国が言っている、「靖国神社には日本の戦争犯罪人も祀られている」
と一方的に非難するのは、ナンセンスなことだと私は思います。
「靖国で会おう」と言い合って、若者たちがお国のために命をなげうちました。
もちろん、日本という国家を守るためですが、本当のところは愛する家族たちを守るためだったのではないでしょうか。
靖国神社はそんな彼らの霊を慰めるところです。
またこうした過ちが繰り返されることがないように祈っているということを、世界に向かってしっかりと言うべきだと私は思います。
駐日外交団長、サンマリノ共和国特命全権大使、マンリオ・カデロ氏の『だから日本は世界から尊敬される』(小学館)より抜粋
著者のマンリオ氏は、現在、駐日大使全153ヶ国を代表する「駐日外交団長」として、各国と日本の友好親善のために尽くしている方だそうです。
日本人として知っておかなければならない日本のこといろいろあるのでしょう。