戦後の日本は、あらゆる分野でアメリカの影響を受けています。
特にビジネスの分野がそうです。
極端な表現をすれば、アメリカのビジネスは短期決戦です。
企業業績も1年ごとの決算の良し悪しで、その成果が問われます。
これに対して、日本は本来長期決戦を得意とする国です。
戦前の企業経営者の精神的なバックボーンとなったのが二宮尊徳の教えです。
尊徳は幕末の農村改革で大きな業績を挙げましたが、その改革は10年の歳月を前提にして、自然の理を活かしながら、「積小為大」の手法でじっくり事を進めるという考え方がベースになっています。
この尊徳の考え方のほうが、地球環境を保護するという視点からも正しいことが、やっと最近のエコロジー(自然環境保護運動)の立場から理解されつつあります。
このことは個人の能力開発にも言えることです。
自分の好きなこと、得手を見つけたら、それに時間をかけて開発していくことが、その人にとって最も幸せな生き方になるのです。
社会教育家、田中真澄氏の『これからの時代の生き方』(ぱるす出版)より
二宮尊徳の言葉「積小為大(せきしょういだい)」の意味は、
小さな努力の積み重ねが、やがて大きな成果につながる、ということ。
小さなことをおろそかにしていては、大きなことはできない。
小さな努力を今日も積み上げようと思う。