ある経営者の方がこう言いました。
「私は人生の65年の中で悪戦苦闘してきました。
何をやっても、人の2倍3倍の努力が必要で、その2倍3倍の努力をしなければ人並みになら ず、5倍くらい努力してやっと少し生活が楽になるような状況でした。
いったい、自分の人生は何のためにこの世に存在しているのでしょうか」
自分の前世は何者で、来世は何者で、自分の頭に入っている魂というのは何者か知りたい、というのです。
私の答えを聞いてから、2分くらい絶句していました。
2分ほど経ってからこう言いました。
「わかりました」そう言って帰られました。
その方に私はこうお答えしたのです。
「もし、あなたの前世が5人10人の人を殺した殺人者だとします。
では、今生生まれ変わってのテーマは何だと思いますか」
「わかりません」
「喜ばれる存在になりなさい、というのが今生でするべきことですよね。では、前世でもし、とても人に喜ばれて、みんなから尊敬され、敬意を持って慕われるような存在だったとします。今生でのテーマはなんでしょうか」
「わかりません」
「より喜ばれる存在になりなさい、ということですよね」
そうであるならば、前世が何者であったかを考える必要はなくなります。
前世が何者だったから、今生は何をしなくてはいけない、ということを考える必要はないのです。
前世が何者であろうと、今生でのテーマは「どうしたら喜ばれる存在になれるか」もし前世が喜ばれる存在であったなら、もっと喜ばれる存在になりましょう。
もし前世が喜ばれない存在であったら、今生では喜ばれる存在になりなさい、ということですから、前世に関心を持つ必要はないと思います。
ただ、今生でどう喜ばれる存在になるかということだけです。
小林正観さんの『「人生を楽しむ」ための30法則』(講談社)より抜粋
「喜ばれる人」ってどんな人かな。
笑顔で、いつも機嫌よく、「幸せ」、「うれしい」、「楽しい」、「ツイている」、「ありがとう」と言っているような人。
いつも感謝があるからそうできるのでしょう・