男性でも女性でも、人気のある人、周囲から協力を得やすい人は、ほとんど例外なく、いい笑顔の持ち主です。
笑顔は運を呼び込みやすいのですが、これは、笑顔になることを「相好(そうごう)を崩す」ということからもわかります。
だれでも心から喜んで笑顔になると、目尻や眉が下がり、くちびるの形も変わります。
つまり、顔の相が変わるわけですが、好(よ)い相、運のつきやすい相に変わるというわけです。
相を好もしく崩すのが、笑いのほんとうの意味といってもいいでしょう。
三輪禅では、朝、大きな声でお坊さんたちが空笑いをします。
これも、じつは修行のひとつです。
もともと僧になろうという人間には"暗"の人が多いので、座禅で脳を開放し、笑いで心を"明"にするという成長過程を踏むわけです。
朝、顔を洗うときに水に顔を映してワッハッハと自分に向かって笑いかける。
それを毎日繰り返すうちに、空笑いがしだいに心の底からの楽しい笑いになっていき、観相学的にいう"明相"をつくっていくわけです。
ただ、同じ笑いでも、冷笑、嘲笑、含み笑い、艶笑などには"暗"がつきまといます。
心の底から笑えない人は、"暗"に支配され、相が好もしく崩れないのです。
運を呼び込みやすい体質をつくるには、いい笑顔の持ち主になることがだいじなのですが、そのためにも、毎朝、鏡のまえで身だしなみを整えるとき、鏡の中の自分に向かってニッコリ笑ってみてください。
たとえ、つくり笑顔でもいいから、いい笑顔になるようにすることが、このときのポイントです。
笑いが心の底にひそんでいる"暗"を吐き出させてくれるのです。
この朝の笑いをその日一日忘れないようにすれば、その日の運の流れも変わってくるはずです。
心の底から大きな声で、文字通り相好を崩して笑える人間というのは、余計な屈託もなく、他人を軽蔑することもなく、他人をせせら笑う必要もないという、"明"の人間になるわけで、これで運が向いてこないはずはありません。
観相学、藤木相元氏の『運のつくり方 開き方』(PHP文庫)より抜粋
観相学的にいう"明相"を作り、"明"の人間になるよう心がけたいですね。