立ち飲み屋で働いていた時、とても仕事がつまらなくなった時期がありました。
毎日毎日ビールや串カツを運ぶだけ、なんだかくだらない仕事だなぁと正直思っていました。
それが顔や動きにも出ていたのだと思います。
ある日、常連のおっちゃんに突如突っ込まれました。
「兄ちゃん、最近やる気ないな。」
「そんなことないですよ。」
「いいや、見たらわかるで。
こんな仕事しょうもないと思ってるやろ。」
「いや、そんなこと...。」
「顔に書いてあるわ。
けどな、しょうもないと思う仕事こそちゃんとせなあかんで。
毎日Sさん(立ち飲み屋の先輩)は兄ちゃんに注意しとるやろ。
ということはあんたはまだまだ仕事ができてへんねん。
しょうもないと思ってる仕事もちゃんとできへんちゅうことは、兄ちゃんもま だまだしょうもない人間やと言うことや。
しょうもない仕事を一生懸命やってできるようになったら、そこではじめて出 世するねんで。」
うーん、悔しいけど何も言い返せない...。
見事な指摘でした。
それから先、仕事をしていてだらけたり手を抜きそうになった時は、このおっちゃんの言葉を思い出します。
「しょうもないこともできへん奴は、もっとしょうもない。」
落語家、桂福丸さんの『怒られ力』(明治書院)より抜粋
どんな店員さんだったら、私たちは気持ちよくお酒を飲んだり、食事をしたりできるだろう。
元気な挨拶や返事、ニコニコとして明るいとか、そういう些細なことではないでしょうか
「しょうもないこともできへん奴は、もっとしょうもない。」
目の前のことを一生懸命やる、できる人間でありたい。