マーク・トゥエインの『トム・ソーヤの冒険』にこんな話がある。
あるとき、トムは学校をさぼったのが発覚し、罰として塀のペンキ塗りをさせられる。
トムはこの仕事がいやでいやでたまらない。
しかし、やらねばならない。
そこでトムは一計を案じる。
このペンキ塗りを、いかにも面白そうに始めたのだ。
おもしろくておもしろくてたまらない、というふりでペンキを塗った。
するとそこへ友人が通りかかった。
トムがあまりにも楽しそうなので、「ちょっとやらせてくれないか」という。
トムはしかたなく、友達にもやらせてやった。
次から次へとやってくる友人が、みんなペンキ塗りを替わりたがる。
おかげでトムは、自分ではあまり苦労もせず、あっというまにペンキ塗りは終わってしまった。
楽しそうな人のそばには、人が寄ってくる。
人が集まってくれば、つらい気持ちも軽くなる。
つまらなそうに、つらそうにしていれば、人は寄ってこない。
ひとりぼっちになり、重荷はもっと重くなる。
たとえ実際に仕事を替わってもらえなくても、人がそばにいるだけで、重荷は軽くなるものだ。
これが人生に疲れないコツだ。
精神科医、斎藤茂太氏の『続「なぜか人に好かれる人」の共通点』(新講社)より抜粋
「人生に疲れないコツ」は、いつも笑って、楽しそうにしていること。
お笑い芸人さんが、モテる理由もこのあたりかもしれませんね。