なんとなく覇気がなく、消え入りそうなほど小さな声でしゃべる人がいるとして、その人の発言がみんなに信用されることは考えにくい。
元気のない人は、人を動かすエネルギーにも欠けるのである。
強がりでもいいから、ハッタリでもいいから、とにかく自分は元気なんだぞ、こんなにバイタリティに溢れているんだぞ、まだこんなに若いんだぞ、という姿を見せないとダメである。
どうすれば、元気そうに見えるか。
それは、アゴを20度あげるようにするだけ。
たった、これだけである。
アゴを20度あげれば、だれでも、うつむいた顔ではなく、未来を見つめるような、そういうイキイキとした顔になる。
だからこそ、広告のモデルが写真に映るときには、アゴを20度あげるのだ。
カナダのモントリオールにあるマギル大学のA・マイノルトは、アゴの高さを10度きざみであげたり、下げたりした顔の表情のCGを作り、それをたくさんの人に見せて、どのように評価されるのかを調べたことがある。
すると、アゴを20度上げたときに、快活な表情だと認知されることがわかったのである。
ついでにいうと、アゴを30度も上げると、今度は尊大で威張った顔になってしまうので、アゴを上げるのがいいとはいえ、上げすぎるのもよくないので注意してほしい。
逆に、うつむいた顔をしていると、太陽や照明の光の関係によって、目のくぼみや口元などに陰ができてしまい、「なんだか暗い人」と思われてしまう。
英語では元気を出しなよ、頑張りなよ、と他人を励ますときに「Keep your chin up」という表現を使うが、文字通りに直訳すれば、「アゴを上げなよ」である。どんなに気分が滅入っていようが、アゴだけは上げておこう。
アゴを下げなければ、あなたはやる気を失っていないように見えるからである。
内藤誼人氏の『人は「暗示」で9割動く』(すばる舎)より
アゴを20度あげるというのを鏡で試してみます。
30度上げると尊大で威張った顔になってしまうのでね。