因果応報の法則とは、善いことをすればよい結果が生じ、悪いことをすれば悪い結果が生まれる。
善因は善果(ぜんか)を生み、悪因は悪果(あくか)を生むという法則のことです。
善因悪因の「因」とは、自分が生きている間に思ったこと、行ったことです。
自分自身が思い、考え、実行すること、それらが因、つまり原因となります。
思ったり、考えるだけで原因になるのか、と疑問に思われる方もいるかもしれません。
また、単に思っただけでしかないと、我々は軽く考えがちです。
しかし、思うということは決して軽いものではありません。
恨み、つらみなどを考えただけで、それが原因をつくってしまいます。
そして、原因は必ず「結果」を生みます。
原因が原因のままで残り続けることはありません。
ところが、因果応報の法則は、必ずしもその通りの結果が出ているようには見えません。
周囲を見渡せば、いいことをしてきた人が病気で苦しんでいる、悪いことをしている人が幸せそうに暮らしている例は、いくらでもあります。
このような状況では、いくら因果応報の法則を説かれても、我々のような凡人にはなかなか信じられません。
世の中は、因果応報の法則の通りになっていない、とつい思ってしまいます。
因果応報の法則は、結果が出るまでには時間がかかることがあります。
原因に対して結果がすぐ出ることもあるにはありますが、多くの場合はなかなか結果が出てこないのです。
しかし、20年、30年といった長いスパンで見ると、必ず因果応報の法則通りの結果になっています。
京セラ名誉会長、稲盛和夫氏の『成功の要諦』(致知出版社)より
善き行動はもちろん、善き思いも意識しなければいけないのですね