医学博士の徳久克己氏は、自分の臨床の経験を通して、著書『心とカラダと運命』の中で、こう書いている。
「顔が笑っている時には、カラダじゅう、全部いっしょに笑っているのです。手や足だけでなく、カラダの中の肺も胃も、心臓も、腎臓も腸も、髪も爪も、血液だって笑っているのです。その反対に、顔が悲しんでいる時には、カラダじゅう全部が悲しんでいるのです。このように、顔の表情とカラダの表情とは切り離すことができない、ということがわかりますと、顔の表情がカラダの健康と、密接な関係があることもわかります」
米国の社会教育家マーディンの今から七十年前に書かれた著書には、次のような一節がある。
『君が医者にかかる場合は、嬉しそうな、心の明るそうな容貌の人を選ぶことだ』
愉快な医者に接すると、薬よりも一層効きめがあることが往々にしてあるではないか。
日本でも江戸時代、いい医者を選ぶ基準として、「一に居ること、二に愛嬌、三、四、五がなく、六に腕」と言われたという。
腕前よりも、いつも居てくれて愛嬌いいことが上位にきていることに注目したい。
こうしてみてくると、今日ほど医学万能でなかった時代、経験から学んだ人々は、明るく生きることが何よりの病気治療という知恵を持っていたのだ。
幸い、この知恵は、現代にも生きている。
よくマスコミで伝えられるように、最近は欧米でも日本でも、笑いを治療に取り入れる病院が出てきており、その効果は著しいとされている。
であるならば、私たちも笑いを自分の健康増進に、病気の治療に充当していきたいのものである。
社会教育家、田中真澄氏の『明るく生きれば人生は好転する』(かんき出版)より
「笑い」の効果は、大きいのですね。
医者選びも「嬉しそうな、心の明るそうな容貌の人」
医者に限らないかもしれません。