謙虚
ある新人俳優さんが、デビューして間もないころ、撮影所内にいた スタッフや俳優さんたち一人一人に挨拶をしていたそうです。
ところが、どの人もつっけんどんで、
「ああ。そう。まあ、せいぜい頑張りな」
程度の応対しかしてくれませんでした。
中には、彼が挨拶しても、テーブルの上に足をのせたまま、タバコをぷかぷかふかし、無視する人までいたそうです。
しかし一人、石原裕次郎さんだけは違ったそうです。
当時、すでに大スターであったにもかかわらず、その新人俳優が挨拶すると、石原さんもすぐに席を立って、深々と一礼しながら、こう返答してきました。
「こちらこそ、どうかよろしくお願いします。これから、いっしょに頑張っていきましょう」
石原さんのこの態度に新人俳優は大いに感激し、
「自分はこの人に一生ついていこう。俳優として大成しなかったら、この人のお抱え運転手でもいい。雑用係でもいい。とにかく、この人のそばにいたい」
と思ったといいます。
実は、この新人俳優こそ、石原プロモーションの社長であるあの渡哲也さんなのだそうです。
いい話ですね。
謙虚であることの大切さを感じます。
だから、裕次郎さんはあれだけ慕われ人気があったのですね。