八風吹不動
禅の世界に、
「八風(はっぷう)吹けど動ぜず(八風吹不動)」という言葉があるそうです。
その意味はというと
「ろうそくの火は風に揺れ動く。
そのように、わたしたちのこころも八つの風によって揺れ動き、惑わされるのであるが、それを不動のものにせねばならぬ」...という意味。
では、八つの風とは?
「利」・「衰」・「毀」・「誉」・「称」・「譏(き)」・「苦」・「楽」。
利...利とは、たんに金銭的利益だけではなしに、わたしたちの意にかなうものはすべて利である。
利をもって誘われると、わたしたちのこころは、ついふらふらと動いてしまうものです。
衰...利の反対が衰で、わたしたちの意に反するものを言う。
金銭的な損失だとか、左遷など。
毀...毀とは陰でそしること。
誉...逆に陰でほめるのが誉である。
称...称は目の前でほめること。
譏...反対に目の前でそしるのが譏。
苦...苦によって、わたしたちのこころは乱れる。
楽...逆に楽によっても、わたしたちのこころは揺れ動く。
注意せねばならない。
八風のうちの四風(毀・誉・称・譏)が、
いわゆる「毀誉褒貶(きよほうへん)であり、つまり世間の評判のこと。
"風評"という、まさに「風」。
そんな「風」に動じない、不動心を確立せよ...というのが禅の教えなのですね。
八風が吹いても、にっこり笑って、さらりと受け流すことができる、
器の大きな人でありたいものですね。
今日も充実した一日を!