少し足りないぐらいが
本物と言われる人は陰でどんなに努力をしていても、
それを表にださないものと言われます。
「人知れず」「誰も見ていないところで」コツコツと努力を重ねている。
役者でも、職人でも、ホテルマンであろうとも、
プロフェッショナルであればあるほど謙虚で自己アピールなど一切せず、
ひとりコツコツと努力を続けているという。
「美徳自慢」などは「無粋」の極みとされる。
すごい仕事をしている人や忙しい人ほど、
そんな素振りは一切見せずに、穏やかで飄々としているもの。
『粋』という字は、米偏に『九』と『十』で成り立っている。
これは、『九』では足りないが『十』では完璧すぎる。
完璧には米粒ほどの差で届かないくらいが『粋』だとされていたからという話しです。
何ごとも肝心なことはほどほどに留めておくこと。
ちょっと足りないくらいが人にとって心地良いという。
極端な感情表現や
恥ずかしいことは、秘しておくのが恥の文化を尊ぶ日本人の美徳だったとも言われます。
人間ですから、誰でも悔しいこと、悲しいこと、つらいことはある。
愚痴を言いたくなること、怒りをぶちまけたいこともあるでしょう。
それは年齢に関係ないものです。
喜怒哀楽の感情に左右されることも、人生においてたくさんあるでしょう。
その感情に負けそうになりながらも、
ときにはグッと涙をおさえ、陰でそっと涙をぬぐう。
嬉しいことがあったときほど浮かれ過ぎず、静かに嬉しさをかみしめる。
それもまた日本人の持つ美徳ではないかと言われたりします。
人は、自分のことを知って欲しい、認めて欲しいと心の底でいつも願っています。
でも、その表現はほどほど、
少し足りないぐらい、少し抑えたくらいちょうどがいいのですね。きっと
今日も充実した1日を!