言葉の威力
萩本欽一氏の『人生が楽しくなる気持ちのいい日本語』より...抜粋
言葉のパンチを出す人って、どこの会社にもいる。
職場の空気を悪くするし、自分の立場も悪くする。
会社の中では「正論」が、危険なパンチになることがよくあるよね。
これは言い方が正しくないってこと。
言ってることが正しくても、言い方が正しくなければ、
相手を気持ち悪くさせる。
「どうして、すぐにA社に連絡をしなかったんですか?
それは、A社が処理すべき問題であって、ウチがやるべきことではないでしょう。
莫大な時間と経費のムダですよ」
なんて、まくしたてる。
自分が言っていることに間違いはないと確信してるから、自信満々にまくしたてる。
こんなことがわからないなんて、
どうかしてるんじゃないですか?と言わんばかりに正論をぶつける。
言われているほうとしては、こいつの言っていることは正論であるんだけど...、という気持ちすらフッ飛んで、ひたすらどこまでも気分が悪くなる。
そうならないためには、どうすればいいのか。
正論を言うときには、その頭やおしりに、かわいげのある言葉を足せばいいの。
たとえば
「ボクみたいな、いつもヘマばっかりやっている人間が言うのもなんなんですけど...」
のような言葉を頭にくっつけてみる。
感情が高ぶって、つい、頭に言葉を足すのを忘れたときでも、
おしりのところに
「...なーんて、みなさんが先刻ご承知のことをエラそうに言っている自分が、恥ずかしくなってきました」のような言葉を足せば、
正論の破壊力が、ずいぶん緩和される。
言葉のパンチが、パンチじゃなくて、相手のほおをなでてるくらいの、ソフトな言葉に変わるからね。
いいにつけ、悪きにつけ言葉には、力がありますよね。
人を傷つけたり、励ましたり、喜ばせたり、悲しませたり