グレーゾーン
仏教の教えの中心にあるのが「中道」という考え方があるそうです。
「白、あるいは黒という、極端に一方に偏らない姿勢でいなさい」というのが中道。
言い換えると、
「自分を主張して相手を組み伏せるのではなく、お互いが成り立つような着地点を見つけなさい」ということ。
「自分」をあくまで押し通せば、「相手」を否定することになる。
そうではなくて、
自分の顔も立ち、相手の顔も立つような道を探っていこうとする。
なんだか、物事を曖昧にしてしまうようにも思えます。
曖昧にするということは、「多様性」を認めるということ。
人はそれぞれ、さまざまな考え方や、いろいろな価値観を持っています。
「自分の考え方、価値観だけが正しくて、それ以外は間違っている」
という生き方をしたら、必ず衝突が生まれます。
そして、そこに苦しみが生じる。
「自分とは違うが、相手も受け入れていこう」というのが多様性を認めるということ。
そのほうがずっと心豊かに穏やかに生きられるのかもしれません。
「大人になるということは、曖昧さを受け入れる能力を持つということである」
精神分析学者フロイトのことば。
白か黒かで、決着をつけなければ気が済まない人は子ども?!
ビジネス、仕事においても、お互いに譲るべきは譲って、どちらも受け入れられる
「落としどころ」を見つけられることが、大切なスキルですね。
「曖昧さ」というのは、じつは賢く生きる知恵なのかもしれません。
物事にはっきり白か、黒かをつけるのではなく、「グレーゾーンを大切にする生き方」。