日本に馴染んだ「スターバックスコーヒー」。
スターバックスは、注文後に「わざとゆっくり」商品を出すそうです。
なぜなのか?
「急ぎの客」が来ないようにしているというのです。
時間に追われるお客さんが店にいると雰囲気を壊してしまうからという理由。
同社の事業コンセプトは「第三の場所」の提供。
仕事に追われる職場と自宅の間に、
ちょっとくつろげる場所を消費者に提供するというもの。
カウンターで注文してもファストフード店のようにすぐに商品が出てこないから、
当初は戸惑った人もいたのではないでしょうか。
しかしそこが肝だった。
スターバックスは「わざと」時間をかけていたのですね。
例えばスターバックスの店舗は直営だそうです。
短期間に店舗網を拡大するにはフランチャイズ方式を採用した方が合理的。
しかし、直営にこだわる。
フランチャイズ店のオーナーなら店の利益を少しでも多くしたいと思うでしょう。
手っ取り早い方法はお客の滞在時間を短くすること。
そのために商品をできるだけ早く出そうとするかもしれない。
しかし、それでは「第三の場所」を提供することにはならなくなってしまう。
それを防ぐために、
店舗運営をコントロールできる直営方式を採用しているそうです。
そこだけ見れば非合理に見えるけれども、
そのことが、競争優位性を持続させるということ。
非合理にみえたものが、実は合理的であった。