世界第7位のアパレルメーカー『しまむら』。
苦境に追い込まれる周囲のアパレル店をよそに、好調な売り上げを見せているらしい。
売り場の「鮮度」を保ちながら売り切るということに徹底してこだわっているという。
それが強さの理由のひとつ。
「鮮度」とは?
衣料品は季節や天候の影響を強く受けてしまうので実は販売期限がある。
そのため、一定期間で売り切ることが重要。
また、季節や天候の影響で急激に販売が落ち込むことも。
そのため、売れ行きが思わしくない商品は早い段階で値引きを行い、
売れる価格に設定して販売を促進する必要があるというのです。
そんな「しまむら」は、値下げする商品を自動で選別するシステムを導入するそうです。
売れ行きが思わしくない商品の値下げをITシステムが判断し、
売れる価格に落とし、販売期限までに売り切ることで収益を最大化させる。
値下げの判断が遅くなると在庫過剰になる。
その結果、売り場や倉庫のスペースを圧迫してしまう。
タイミングが遅れた在庫一掃のための値下げは獲得できる利益を減らしてしまうし、
逆に、早い段階で値下げしてしまうと、より多くの利益を得る機会を逃してしまう。
この重要な値下げの判断をシステムで行うということ。
これにより最大収益と業務の効率化の実現を目指すわけです。
ただし、このシステムにも一つ大きな問題がある。
それは「天候」。
衣料品は天候の影響を強く受けるわけです。
それをシステムがどのように自動判断するのかという問題です。
システムが将来の天候を正確に判断するのは困難だからです。
天候以外の部分はシステムで自動化することのメリットは十分ある。
売り上げの推移や在庫状況、
消化率などの過去の事実からの分析であればシステムは威力を発揮するでしょう。
しかし、未来の予測である天候の要素を考慮すると、
やはり最終的には人間の判断もまだまだ必要になるのですね。