ある高校での話。
その高校は、とてもスポーツに力を入れている学校。
選手達のほとんどが寮生活で、全国各地から集まってくるほど。
思春期の高校生達が一日中顔を合わせる寮生活のため、
どうしても人間関係がギクシャクする部分が出てきた。
そして、ついにチーム内にふたつの派閥が生まれ、激しく対立するように。
県大会の予選も近いある晩、
寮に2台しかない公衆電話の使い方が長いといったことが原因で、
ふたつの派閥の間で、ものを投げ合う大ゲンカが始まってしまった。
その場に、寮のおばちゃんが登場した。
にらみ合うふたつのグループの間に立って、おばちゃんは言った。
「あんたたち、ケンカするよりも仲よくするほうが、毎日がずっと楽しいって、
それぐらいわかるだろう?」
「うるさい!こんなやつらと仲よくするなんて無理だね!」と、興奮した誰かが叫んだ。
すると、おばちゃんは、その声がしたほうをにらみつけ、野太い声で一喝した。
「人と仲よくするなんてね、とっても簡単なことだよ。
『ありがとう』と『ごめんなさい』は、相手よりも先に言え!
たったこれだけで、人生うまくやっていけるんだよ!」
そこに響き渡ったおばちゃんの一喝で、みんなが我に返った。
次の日から寮の雰囲気が変わり、
その後、県大会に優勝。
全国大会へも進出することに。
なにかあったとき、先に謝るのは難しいものです。
特に、自分の方が年上、上司だったり、同年齢だったりするとなおさらです。
『ありがとう』と『ごめんなさい』を先に言えるようにありたいものです。