「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」
絶世の美女と言われた、小野小町の詠んだ歌。
桜の花の色は、 長雨が降り続く間に 、
衰え色あせてしまった。
私も、恋や世俗の事に思い悩んでいるあいだに、
むなしく月日を過ごしてしまった。
ちょうど私の美貌が衰えたように。
「われ死ねば 焼くな埋むるな 野にさらせ 痩せたる犬の腹肥やせ」
そして、これは辞世の句。
もし、私が死んでも、焼いたリ埋めたりしなくてもよい。
野に放り出して、痩せた犬にでも食わせてやってくれ。
どんなに絶世の美女であろうが、
時がたてば老い、そして死んでいく。
そして死ねば、自分の体は、あの世に持っていくことはできない。
財産も、名誉も、肩書も、みな同じ。
だからこそ、無いものを嘆くのではなく、
今自分が持っているものに目を向け、
そしてそれがあることに感謝することが大切なのかもしれません。
今、仕事があり、家があり、家族や友や仲間があり、
そして、 生きていることに感謝する。
幸せを感じることができる人は、
ないものを嘆くのではなく、今あるものに感謝する。
自分が今、手にしているものに目を向けたいものですね。