ちょいちょいでてくる人間の「脳」の話。
脳の特徴の一つである可塑性(かそせい)。
可塑性とは、
脳を構成する神経とそのネットワークに周辺の状況に応じて
変化するというもの。
この可塑性は脳の成長、学習、記憶、神経の再生など
多くの現象にかかわっているそうだ。
例えば、車の運転を覚えて上達することや
外国語を覚えて流暢に話せるようになることなど
可塑性のお陰らしい。
その可塑性が発揮されるのが
神経細胞と神経細胞のつなぎ目であるシナプス。
このシナプスは、次の神経細胞へ
信号を伝える役割を担っている。
シナプスは年を取ることにより衰えることなく
発達する能力を持ち続けるけれど、
よく使えば発達し、使わなければ萎縮する性質がある。
こんな面白いラットの実験結果
①通常のケージで水とエサだけを与え続けられた3匹のラット
②様々な遊び道具を入れた大きなケージに、12匹入れられたラット
に分けて実験。
① のラットの方が若い年齢から成熟、年をとった年齢になるに従い
迷路学習の成績がどんどん悪くなるという。
それに比べ②のラットは
成績の低下をほとんど見せず
若い年齢のレベルに維持されていたという。
仲間同士の付き合いである相互作用や
新しい道具など環境変化に適応するために
脳のシナプスの発達したことが
影響しているのです。
人間の脳も同じで、
年をとっても外からの刺激により
可塑性を保持しているシナプスは
十分に発達できる可能性を秘めているといえる。