何か問題が起きた時、
「なぜこれが起きたのか」と自分、他人に問いかけるものです。
原因を探るために、「なぜ」という言葉を使ってしまう。
でも、
その原因が明確になることはあまりないものです。
自動車メーカーのトヨタの現場で実践されている有名な「トヨタ式カイゼン」。
それを真似して、「『なぜ』を5回繰り返せ」と言う意見もある。
機械の分野ならそれは有効ですが、人間の場合は少し違うようです。
それを人間に当てはめて「なぜ」と原因を探ってしまうと、
人間のメカニズムは複雑ですから、答えは出てこないどころか、
具合が悪くなってしまうもの。
①【過去基準】と②【未来基準】
【過去基準】とは、
行動する時、「なぜ」それをやりたいのか理由を考える。
また、自分の行為がうまくいかないとき、「なぜ」うまくいかないのか、
原因を考えるパターン
【未来基準】とは、
行動するとき、「何のために」それをやりたいのか目的を考える。
また、
自分の行為がうまくいかないとき、「何のために」うまくいかないのか、
別の目的や新たな利用法を考えるパターン
たとえていえば、
子供がテストで80点をとった場合。
お母さんが「なぜ80点なの?」と、
原因に焦点を当ててしまうと、子供は無意識に言い訳を考え始めてしまう。
それに対して未来基準の場合、
「何の目的で80点を取ったの?」という質問になると。
そこには大きな目的があるんだね、という前提があるわけ。
「どんな目的なんだろう」と未来に視点が向かうわけです。
過去と未来、どちらに焦点を当てるのかで、
身体の反応や脳の動きが大きく変わってしまうようです。