「この国の経済は、どんどん悪くなっている」
「このままでは、この国は滅んでしまう」
選挙演説で、そんなことを口にして叫んでいる政治家がいるとします。
心理学者なら、その人の演説を聞いて、「ああ、この人は落選するな」。
かなりの高確率で、
「悲観的なこと」を口にしているほうが落選することが、
明らかにされているようです。
米国ペンシルバニア州立大学のハロルド・ズローは、
1948年から1984年までの共和党、民主党の指名受託演説を分析。
それぞれの候補者が、
どれくらいアメリカの状況について悲観的なことを口にするか調査。
その結果、悲観的な候補者のほうが、
10回中9回も負けていることがわかった。
ほぼ確実に負けていたのですから、すごい確率。
ズローはさらに分析の範囲を広げて
1900年から1944年の選挙についても調べてみたのですが、
12回の選挙で9回は負けるという結果に。
底抜けに楽天的で、
何の根拠もないのに大風呂敷を広げるような政治家のほうが、
頼もしいと感じるでしょう。
頼りがいがある人は、あまり悲観的なことを口にしないもの。