「大事の思案は軽くすべし、小事の思案は重くすべし」
葉隠れ流の代表的な武士道精神を説いた格言。
そして、「武士は何事も七呼吸で決断せよ」という。
およそ十数秒。
大事の思案を軽くできる人は、
普段から、肚を練って、自らを高めている人。
大事は思わぬときにやってくる。
大災害だったり、今回のようなコロナ禍。
突然の災難や疫病にもうろたえないで、
速やかに判断し決断できるのが、
肚ができている人であり、覚悟ができている人。
また、
ささいなこと、とるに足りないような「小事」をおろそかにしたばかりに、
屋台骨が傾いてしまうということはあるあるなこと。
「千丈の堤も蟻の一穴から」
という言葉の通り、
大きくて頑丈な堤防も、蟻がつくった小さな穴から崩れることもある。
ほんのわずかな不注意や油断が、大きな失敗につながることもある。
だからこそ、常日頃、小事の思案は重くする必要があるということのよう。
その積み重ねが、非常のときの覚悟につながる。
覚悟ができれば、あとは、損得は関係なく、
自分の直感や縁のあるなしで考えずに決められるようになるらしい。