仏教の教えはたった三つに集約されるそうです。
一つ目は「厳粛」。
厳粛とは、今というひとときは二度と帰ってこないということ。
時間は刻々と流れていって、今というこのひとときは二度と帰ってこない。
あらゆるものは、絶対に今というこのひとときを二度と繰り返さない。
この世相はまさに厳粛そのものだということを仏教は教えているという。
二つ目は「敬虔」。
人間は誰一人として自分だけの力で生きている人はいません。
それを思うと、「おかげさま」という敬虔な気持ちに。
敬虔とは「おかげさま」のこと。
三つ目は「邂逅」。
邂逅というのは、めぐり合うこと。
人生はめぐり合いの連続です。
めぐり合いによって、その人の人生がある。
お釈迦さんの教えを集約すると「厳粛」「敬虔」「邂逅」の三つ。
この三つの教えは、
「ありがとう」
「すみません」
「はい」
という三つの日本語に還元されるというのです。
「厳粛」な世相の中で、自分は今、生きている。
それは言葉に表すなら、「ありがとう」。
「敬虔」というのは「すみません」。
何がすまないのかといえば、いろいろなおかげで自分は生きているけれど、
その「ご恩返しが済みません」という意味。
「邂逅」というのは「はい」。
めぐり合いは「はい」という形で受けとめていかないと、めぐり合いにはならない。
天地が与えてくれためぐり合いは、「はい」といって拝んで受け止めるしかないと。
この「ありがとう」「すみません」「はい」という言葉を絶えず繰り返していると、
どんな嫌なことがあっても、人生というのはちゃんと発展していくようになっているらしい。