哲学者、中村天風師いわく
「とにかく、何をする場合でも、現在恵まれている自分を感謝しなければいけませんよ。
病になっても、運命が悪くなっても感謝するんです。」
中村天風師がインドでひどい病を患っていたときの話。
毎日、病の苦しさで辛い思いでいたとき、
ある朝、教えを受けていた先生から、
「お前って、世界一の幸福者だね」と、言われた。
明日をもしれない重病で苦しんでいる時に。
続けて
「お前よく考えなさい。
お前は自分が現在患っていることを非常に恨みがましく思っているかもしれないけれど、死なずに生きていることをなぜ感謝しないんだ。
よしんば、死んだからって喧嘩(けんか)にもならないし、
それにまだ死なずに生きているじゃないか。
そのうえ、その病があればこそ、このインドの山の中まで来て、
人生というものを研究しようという真面目な気持ちになれるんだ。
もしも病がなかったら、何の役にもたたない他の所へ行ってしまうだろう。
それを考えてみれば、病に対してなぜ感謝しないんだ」
と言われ、中村天風師は、「ああそうか、私は阿呆かいななあと思った。」という。
俳人小林一茶は、
「はだかにて生まれてきたに何不足」
こう言った。
本当は、
生きているだけでありがたいのに、
年を重ね、浅知恵がたまってくるにしたがって、不平不満や文句が多くなるもの。
「人生は心ひとつの置きどころ」