私たちが自分自身を鍛えて、この隠れた秩序と物事のバランスをはっきりと認識できると、ネガティブな出来事など存在しないことがわかります。
そして、純粋にポジティブな出来事というのもないことがわかります。
ただ出来事があるのみです。
私たちが出来事を解釈してラベルを貼るまで、すべての出来事はニュートラルです。
たとえば、雨が降ると、農家の人たちは雨がかんばつを解消してくれるため感謝しますが、美しい花嫁は人生の晴れ舞台が台無しになったと悲しみにくれます。
雨は良いものでもなければ悪いものでもありませんが、雨が降って欲しくないときに降ると嫌うのです。
逆に、雨を待ち望んでいた場合は、天が私たちの祈りに答えてくださったと言って称えます。
このことを理解すると、もし状況によって自分が傷ついたとしたら、
それはまだメリットの部分を見ていないからだと気づいて、
心の中に感謝とともに本来のバランスがとれるまでそのメリットを見つけることです。
アメリカ在住の人であれば、9月11日の出来事の一方に偏った情報だけを受けて、ひどい、理不尽な出来事として捉えたことでしょう。
しかし、恩恵を伴わない危機などは絶対にないのです。
これだけの惨事なので、その恩恵は非常に深遠なものになっています。
ここに紹介するのは、当時私がオーストラリアの空港でその一報を聞いたとき、封筒に書き残したこの出来事の恵みととれるリストの一部です。
●アメリカの家族がより一体感を持つようになる
●アメリカの家族間でのお互いへの感謝の思いが強くなる
●悪の行為とバランスを取るため、英雄的な勇気に満ちた行動が増加・・・
あらゆる出来事には2つの側面があります。
すべての危機には恩恵が伴い、混乱のあらゆる瞬間にも気分を一新する静けさがあるのです。
パッと見ただけでは、だまされてしまうことがありますから、
もう一度見ます、今度はよーく深く見るようにします。
そうすると、すべての大きな試練には、さらに大きなチャンスがあることがわかります。
私たちの前に待ち受けているバランスの贈り物に目を向けてください。
ジョン・F・ディマティーニ氏の『世界はバランスでできている!』(フォレスト出版)より抜粋
この世のものは、全て「バランス」がとられるという。
その前提を意識した時に、見えてくるものがあるということなんでしょう。